まだ夜も明けきらぬ早朝3時。何艘もの漁船が志度湾の南端を目指す。向かっている先に見えるのは、船着き場を照らす明るい光と工場のように大きな建物。そこが、香川東部では有数の水産市場「志度地方卸売市場」である。
志度地方卸売市場を経営するのは株式会社志度魚市。毎朝3時頃〜5時過ぎまでに市場に持ち込まれた水産物をセリにかけて売りさばいていく。市場は地域の水産物を集め、またセリを通じて適切に分配していく役割がある。水産物流通の要といえる存在である。特に志度地方卸売市場は、県内最大の水産市場である「高松市中央卸売市場」が休みとなる水曜・日曜にもセリが行われるため、香川東部の漁業従事者にはなくてはならない存在となっている。